Q.漢方薬はどうして食前または食間にのまないといけないのですか?
【A】食前または食間とは胃の中に食べ物が入っていない空腹の状態をいいます。
漢方薬漢方薬の成分の多くは糖のついた配糖体であり、腸内細菌によって、糖がはずされて吸収されやすい形に変えられて効果が現れます。そのため、空腹時にのむ方が速やかに腸内細菌のいる場所(腸)に到達し効果が出ることになります。
しかし、味や香りが苦手で、どうしても気分が悪くなったり、お腹が張って食欲が低下するような人がいます。その場合には、食後の服用も考慮されます。
Q.漢方薬には副作用はないのでしょうか?
【A】一般に薬効が穏やかなものが多いことから、副作用がないものと思われている人が多いようですが、まったく副作用がないという訳ではありません。
・同じ病名でも、虚弱な人と体力がある人では使われる漢方薬が違います。従って漢方薬の誤用により、下痢・吐き気など軽症の胃腸障害が起きやすいといわれています。
・のみ合わせで、成分が重なってしまうことがあります。とくに甘草、麻黄、大黄、附子などが含まれている漢方薬には注意が必要です。
Q.漢方薬と西洋薬は一緒に飲んでも平気ですか?
【A】西洋薬は一つの症状や病態を改善するために用いることが多い薬です。漢方薬はいくつもの症状を改善するために用いることが多い薬です。それぞれの長所があり、治療ではお互いを生かした使い方をすることが少なくはありません。
ただし、肝臓病に使うインターフェロンと小柴胡湯との併用が禁止されているケースもありますので、医師や薬剤師の指示に従ってください。
Q.漢方薬は長く服用しないと効果がないのですか?
【A】漢方薬は効果がゆっくり現れるものだけではなく、即効性のあるものもあります。
葛根湯(風邪)、芍薬甘草湯(こむら返り)、柴苓湯(尿が出にくい)、五苓散(下痢)などは即効性を期待して処方される場合があります。
一方、アトピーなど慢性の病気や体質改善を目的として長く飲み続ける場合には、少し症状が改善したからと自分の判断で止めると薬の効果が出ないことがありますので、医師の指導のもと、ゆっくり効果を待つことが大切です。
Q.漢方は白湯で溶かして飲むものなのですか?
【A】ふつうの顆粒の薬のように水で服用することが通例です。白湯に溶かして飲んだ方がいいといわれているのは、薬の吸収スピードが早まるなどの理由からです。
水や白湯なしで直接飲むのはよくありません。口の中やのどにくっついてしまいますし、溶けるのが遅くなるので吸収のスピードが遅くなります。まれに胃を荒らしてしまうこともあります。漢方薬に限らずどの薬もそうですが、コップ1杯の水か白湯と一緒に飲むようにしましょう。
参考資料:
おくすり相談Q&A 100 (静岡県薬剤師会)
漢方ビュー(株式会社サノファー) http://www.kampo-view.com