サービスの具体的事例

みなと店での居宅療養管理症例

ある日、訪問ヘルパーさんから「患者様のお薬で困っているので助けて欲しい」という電話がありました。

まずは自宅に訪問してみたところ、その状態に驚きました。大量のお薬が残っていて、足の踏み場もない状態でした。また、患者様のQOLもあまり良くなく、元気をなくされていました。


主治医には次のように報告をしました。

4月15日

<薬剤管理指導の内容>

・今回、ニトラゼパム錠5mg、ユーロジン錠1mg、ルネスタ錠1mgを次回、受診の22日まで分として20Tずつ、内科のお薬7日分、整形外科のアセトアミノフェン原末を1日4回で飲むようにして21日分(前回交付分)を置いてきてそれ以外は処分します。

次回からは一包化をしてお渡しするということになりました。

<療養その他に関する報告事項>

1,利用者、家族からの情報

2,他の事業者、ケアマネへの情報:担当のヘルパー様にも薬情に残薬を記載して次回の診察時に持っていくように説明いたしました。

<医師への連絡事項>

・ほぼ、心療内科、整形外科のお薬は飲めていない状況で、今回別紙の残薬については処分させていただき、今後きちんと飲んでいただけるように処方を整理していただきたいとご高察の程お願いいたします。ただ、心療内科分の睡眠薬のニトラゼパム5mg、ユーロジン1mg、ルネスタ1mgは最近これで眠れるようになってきたとの事で服用し始めたようです。また、整形外科のアセトアミノフェン原末については1日2回しか服用してない現状が明らかになりました。

・外科の麻薬についてもオキシコンチン錠20mgになってから以前起こっていた、傾眠、意識低下、吐き気、便秘などの症状も落ち着いてきているようでした。


その後、処方内容を整理していくと患者様も見る見るうちに回復し、シャキッと元気になりました。

また、麻薬についても次のように提案しました。

4月23日

<症状に関する情報>

・今回は調整していただいた、内科・心療内科・整形外科薬を服薬カレンダーに整理してセットし案内して来ました。

・アセトアミノフェン原末を一日4回きちんと服用するようになって大分痛みの方は落ち着いてきた感じです。ただ、睡眠中のカバーが少し手薄になる感じでその時に現在、服用を控えているオキシコンチンをどう使うか相談を受けました。

<服薬状況に関する情報>

・服薬カレンダーセット(とりあえず2週分づつ)して途中で再度伺うようにしました。

・また、多量の残薬が見つかりました。
オキノーム散5mg 92包、10mg 30包
が出てきました。もう使わないとのことで預かってきました。

<医師への連絡事項>

・現在、整形外科で打っていただく点滴とアセトアミノフェン原末 4g 4X1で痛みは日中コントロール出来てきた感じです。ただ、就寝中の痛みのコントロールが良くないとの事で残っているオキシコンチン錠20mgを夜9時に飲んでいただくようにとりあえず説明してきました。また、その結果を次回お知らせいただき、先生にもお知らせしていただくようにご本人様にも説明させて頂きました。

5月2日

<症状に関する情報>

・前回から痛みは少し落ち着いている様子で前回話していた、オキシコンチン錠20mgの夜1回だけ服用で睡眠中の痛みは何とかコントロールできているとの事でした。また、毎日は飲んでなく前回から3~4回ほど服用したとの事でした

・最近ムカムカ感がちょっと多くなってきているとの事で市販の三共胃腸薬か、大正漢方胃腸薬など飲もうと買ったとの事でした。

<服薬状況に関する情報>

・服薬カレンダーのセット分で昼食後分だけが4日分ほど飲み残しがありましたので理由をお伺いしたところ、ヘルパーさんの訪問時間の関係で、朝食が10時ごろ、夕食が16時ごろで、昼食はプリンかヨーグルトだけを食べるため、くすりを飲まないことがわかった。

<医師への連絡事項>

・介助ヘルパーさんの訪問時間の関係で食事時間の間隔が短くなっていることが判明し、昼食後のお薬が飲めないという事がわかりました。

ただアセトアミノフェンについては現在の4gの用量はあっているように思われますので1回の用量バランスを変更していただく事を主治医にお願いしました。


フェントステープ1mg+アセトアミノフェン4gですっかり落ち着いております。

薬剤師と介助ヘルパーさん、そして医師の連携で、患者様のコンプライアンスと体調が良くなった一例をご紹介しています。